スーパーなどで買物をしたときは、必ずレジで精算します。レジでの精算時間は一人あたり約3分くらいかかります。そのため混雑時にレジで長蛇の列ができて長時間待たされたという経験があるという人も少なくないはずです。
現在のレジの状況
スーパーのレジでの精算時間は短い人でも1人あたり1分、購入点数が多い人になると5分くらいかかるときがあります。そのため、夕方などの混雑時に長蛇の列になり、10分以上待つということがよくあると思います。企業側もこのレジ時間を短縮するために混雑時にはレジの人員を増やしたりするなど対策を講じていますが、画期的に精算時間が短縮するということはありません。スーパーで1つだけ商品を購入しようと思ってレジをみると長蛇の列…その時にあなたはどう思いますか?購入するのを躊躇する人もいるはずです。レジでお客を待たせるということは、お客側からするとストレスでしかありません。つまりレジで長時間待たせるということは、顧客満足を低下させているということなのです。
無人レジの導入
レジの精算時間を短縮するために一部の企業で無人レジを導入しています。なぜ無人レジを導入する企業が増えてきたかというと、有人レジはレジを設置するだけではなく人も配置しなければならず、レジの稼動数を増加させるにはそれに伴ってレジ係を増やす必要があります。レジ係を配置するということは、お客が来なくても人件費が発生するということです。お客様が来るときだけ来て、といって来てくれる人なんていませんからね。この点で無人レジは、機械を置いておくだけでよいため、たとえお客が来なくても費用は発生しません。
無人レジは、購入点数が少ない人等にレジでの精算作業をお客様自身に行ってもらうもので、2000年ごろから欧米で導入されています。日本でもイオンや西友などが無人レジを導入しており、今後、一層普及が進むものと考えられます。
無人レジのメリット
無人レジに対するお客の反応は、多少手間がかかるものの、待ち時間が減ってスムーズに買物できるようになったため非常に良いようです。どの店舗でも設置したばかりは利用者は少ないですが、徐々に増えてきています。
また、企業にとってもレジに従業員を配置する必要がないため、人件費の削減に繋がります。企業にとって無人レジは、顧客満足を高め、かつ、人件費を抑えることができることができる設備であるといえます。
無人レジのデメリット
無人レジで気になるのが万引きの問題。万引きは、「万引きで倒産する理由」でも書いていますが、万引きは企業にとって存続を左右するほどの大きな問題です。この問題に対して、無人レジの製造会社は、無人レジに籠置きや袋置きに計りを内蔵させて、見通しの良いオープンな場所に設置すれば万引きのリスクはないと説明していますが、これに対して疑問に感じる人は私だけではないはずです。導入している企業も、防犯カメラの設置したり、サービスカウンター前や人通りの多いところに無人レジを配置するなど対策を講じていますが、万引きされていないかといえばそれは絶対にないはずです。
無人レジの今後
現在、無人レジではお客がカゴに入れた商品のバーコードを自分でスキャンして精算を行います。自分でスキャンするから万引きのリスクがあるわけです。お客にスキャンさせずに精算させなければレジでの万引きはなくなりません。そこで注目されているのがICタグです。「万引きで倒産する理由」でも書きましたが、ツタヤなどのCDショップでCDに付けられているものです。ICタグに値段等の商品情報を記録させておき、無人レジに買い物カゴを置いた瞬間にカゴの中の全商品を機械に認識させるのです。もし精算せずにレジから離れると警報が鳴るようにします。そうすればレジでの精算はこれまで以上にスピーディになり、お客はより快適に買物をする事ができるようなります。
ICタグですが、CDショップのものはプラスチック製のしっかりしたものが多いですが、シールタイプなどのICタグも開発されており、こういったタグが食料品などを取り扱う企業で今後採用されるようになるのではと考えられています。
これほどICタグが優れているのならばどうして企業はすぐに導入しないのか?と思うかもしれません。現在、ICタグが普及していない原因のひとつに価格があります。現在(2010年)、ICタグは1枚あたり100円前後になっており、商品単価の低い食料品店などでは採算が合わず導入できていません。スーパーだと1円未満じゃないと難しいと思います(もやしは1袋10円のところもありますからね)。ただ、ICタグの技術革新は目覚ましいものがあるので近い将来に1円を切る時代がくると思います。そうなると自然とICタグが普及するはずで、それに伴って無人レジの導入も広がっていき、その結果、レジ係を雇用する必要がなくなることになると考えられます。将来的にレジ係がなくなるということはありませんが、恐らくレジ係は少なくなっていくものと思われます。
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