
就活をしている時は業績が良くて厳しい採用試験を勝ち抜いて就職しても10年後に会社が倒産…なんてことがあります。
業績が良い=終身雇用ではない
ダイエーが良い例です。ダイエーが右肩上がりで業績を上げているとき、流通業界への就職希望の就活生の多くがダイエー関連の会社の採用活動に応募していました。当時はバブルという時代背景もあり、不動産投資や複数の事業展開を積極的に行っていたダイエーに対してマスコミ等は成功企業の代表例として新聞や雑誌等でダイエーを取り上げていました。多くの専門家が「ダイエーは良い会社」と評している中、まだ学生の就活生はダイエーの関連会社に入社すれば将来安泰と考えたに違いありません。まさか2004年に産業再生法の適用、2013年にイオンの子会社になるとは思ってもみなかったでしょう。何といっても商店街の小さな商店(大栄薬品工業株式会社 資本金400万円 1957年設立)が僅か15年で小売業売上高日本一になり、約30年後に大学(流通経済大学)を設立、さらにはプロ野球球団を持つまで成長したのですから。
ダイエーに就職して定年まで倒産を意識しないで働けた人は何人いたでしょうか?多くの社員が倒産・早期退職・リストラ・吸収合併などの不安と背中合わせで働いていたことでしょう。このように考えると就活時点で好業績であるからといって、それが終身雇用・将来の保証に繋がるというわけではないことがわかります。
10年後も業績が良い会社を見分ける方法はあるのか
簡単に言うと、そのような方法はありません。そのような方法があれば株で負ける人はいません。私が言いたいのは就活生が「この会社は業績が良いから」などと話していますが、この「業績」というのは現在(正確に言うと「過去」)の業績であって、来年以降もそれが続く保証はどこにもなく、将来の保証が欲しいのであれば公務員になるか、又は、個人でスキルを磨くしかないということです。10年後に業績が良い会社で働くことを就活の目標にするのではなく、10年後、20年後に高い業績を上げられる人材になるためにはどうすれば良いか、どの会社でスキルを磨けば良いか、ということを考えることが大切だと思います。